成長

うちの次男は吃音です。
小学年3年進級時に校内に「ことばの教室」が出来たので、それから4年間
行きました。
「ことばの教室」は吃音を治すものではなく、吃音と上手に付き合う生き方を
先生と一緒に考えるところです。

どもる人は、どの言語圏にも人口の1%程度いるそうですが、吃音のあるこどもたちは
自分ひとりだけがそうであると、不安がっています。そしてその親御さんたちもです。

吃音はその原因が解明されていません。これといった治療法もありません。
でも、「治療」するものではないと私は思っています。
これが彼の話し方だからです。

小さい時「どうしてぼくはこんな喋り方なんだろう。」と言われました。
「それが○○の特徴で、例えば走るのが速い子、遅い子がいる。背の高い子、低い子がいる。
それと同じだよ。」と言うと「そっか。」とあっさり納得したようでした。

今まで周りから「なんで?」と聞かれたことが何度かあったようですが、さらっと
「これがぼくの喋り方。」と言うとそれ以上のことは無かったようです。


年に3回「ことばの教室」の集まりがあります。
市内の「ことばの教室」に行っているお子さんや「ことばの教室」がない他の市のお子さん
も集まります。
子どもたちは先生と一緒に遊び、保護者は別室で話し合いをします。
そこで不安や悩みを話し合いスッキリしていく、実はこれが目的?と思います。

私も始めの頃は、話して泣いてしまっていました。
「ここに同じ悩みを持っている人たちがいる。ひとりじゃないんだ。」
と思えて安心したのです。

卒業してからも、集まりのお誘いは受けていたのですが、部活と重なって行けなかった
のですが、昨日はオフだったので「どう?」と聞くと「行こうかな。」と言ってくれました。
「小さな子たちに、大きい人でもいるんだよって、見てもらえると良いかなって思うよ。」
と私が話すと「俺もそう思ってた。」と。

「そう思っていた。」

この一言がすごく嬉しかった。
不安がっている子に、少しでも大丈夫と思ってもらいたい。
そう考えている次男に成長を感じました。

私も、春から小学生になるお子さんのお母さんに
「まずお母さんが不安にならないで。お母さんがそう思っていると、子どもが
自分が悪いと感じてしまうから。」
なんてベテランぶりで話してきました。

吃音が無ければ知らなかったこと、会えなかった人たち。
会えて良かったです。
こんな私でも、誰かの心をほんの僅かでも軽くしてあげることが出来るなんて、
私にとっても良い体験です。

これを読んでくださった方、これからどもる人に会っても、笑ったりしないでくださいね。
どもりはその人たちの話し方なのですから。

つまみ細工を楽しもう! ゆきやこんこです

千葉市でつまみ細工を作っている ゆきやこんこ です。 羽二重、一越ちりめんと糊で作るつまみ細工。 イベントでの販売や、レンタルスペースでのWS、出張WSで つまみ細工ライフを楽しんでいます。

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